マルジェラのタビを
長く履くために知っておいてほしいこと。
タビって、いまやマルジェラの顔ですよね。ファッション好きの間ではもはや定番。でもだからこそ、「どう履き続けるか」ってすごく大事だと思うんです。
タビを長く履くって、ただ"丁寧に扱う"ということじゃないんです。タビは、買った瞬間に完成する靴じゃない。履けば履くほど表情が出て、だんだん自分の靴になっていく。でもその一方で、構造上どうしても負荷がかかりやすい場所があって、確実に消耗もしていきます。
「履き切るまで放置するか、傷む前に整えるか」——この判断が、タビを長く愛するうえでの分かれ道になります。
タビが傷みやすいポイント、知ってますか?
どんな靴も歩いていれば摩耗します。でもタビは、負荷がかかる場所がわりとはっきりしているんです。
前足部(つま先)・踵・指股まわり、この3か所です。逆に言えば、ここを早めにケアしておくだけで、ぐっと長持ちします。
①新品のうちにハーフラバーを
タビのケアで、個人的に一番おすすめしているのがこれです。
つま先側にラバーを貼る「ハーフラバー加工」は、摩耗を防いで滑りにくさも改善してくれます。そして大事なのが、履き込む前の新品のうちにやること。ダメージが出てからよりも、仕上がりがずっと自然できれいになります。
タビは見た目が命の靴なので、ソールの色味はできるだけ合わせて、違和感が出ないように仕上げることが大切です。
ちなみに!
つま先の革底がすごく摩耗してしまっていても、補修は可能です!
(摩耗しきる前にお持ちいただいた方が、仕上がりが奇麗です)
②踵は「削れ切る前」に交換する
踵のトップリフト(ゴム部分)の交換も、タイミングが肝心です。
ヒール本体まで削れてしまうと、革を継ぎ足す工程が必要になって、どうしても補修感が出てしまいます。でも削れ切る前に交換していれば、きれいに、自然に仕上がります。
目安は、踵の角が落ちてきたな、と感じたら早めに。そのくらいのタイミングが一番きれいに仕上がります。
③指股まわりの破れ、諦めないで
最近、The Shoe of Lifeに増えているご相談のひとつが、指股まわりの破れです。
正直、一般的には「修理が難しい場所」とされています。でも私たちは、状態に合わせて可能な限り修理に挑戦してきました。素材や裂け方によって対応できないケースもありますが、補強の設計や工程の工夫次第で、また履ける状態に戻せることも多いです。
早めにご相談いただけると、選択肢が広がります。 ぜひ一度見せてください。
日々の使い方も、タビの寿命を左右します
修理だけじゃなく、日常の使い方もかなり重要です。
- 連日履きを避けて、ローテーションする
- 雨の日はできるだけ別の靴にする
- 長距離を歩く日は他の靴にする
こういった小さな配慮が、タビの傷みをゆっくりにしてくれます。見た目のきれいさも、シルエットの美しさも、こういった積み重ねが守ってくれるんです。
④甲革の穴あき
最近、The Shoe of Lifeに増えているご相談のひとつが、アッパーの甲革の穴あきです。
特に、小指が当たる部分が、摩耗して穴が開いてしまうケースです。
穴が開いてしまった場合、写真の様に同色の皮革で穴を覆う事が、もっとも効果的でベーシックな修理となります。
穴あき具合に寄りますが、基本的にお修理は可能です。
修理して履き続けることは、エシカルな選択でもある
長く履くことって、環境への優しさにもつながっています。
修理して使い続ければ、廃棄が減る。私自身、それもひとつの大切な理由として、一足でも多くの靴を修理して、長く履ける状態に整えていきたいと思っています。
タビは、定番になったからこそ、履き手の姿勢がそのまま出る靴だと感じています。傷む前に整える。環境と頻度を選ぶ。必要なときは修理に頼る。その繰り返しが、タビを「消耗品」じゃなく「一生の相棒」に変えていくんじゃないかな、と思っています。
Maison Margiela(メゾン マルジェラ)「タビ」 (足袋) 、ぜひ 経験豊富なThe Shoe of Life(シューオブライフ) にご相談ください。
※ この記事は Pen Online「東京古靴日和 #15」(2026.03.05掲載)をもとに、 執筆者・勝川永一本人がThe Shoe of Lifeブログ向けに再編集したものです。






















































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