ニューバランスは「靴」だった!
だから、こんなに直せる。
スニーカーならなんでも修理できる、というわけではありません。 最近のスニーカーは、アッパー(上部)を糸で縫い合わせず、特殊な接着だけで作られているモデルが多く、 そうなると構造的に修理がとても難しくなります。
ところがニューバランスは違います。アッパーがミシンで縫い合わされていて、 つま先には先芯、かかとにはカウンターと呼ばれる心材もきちんと入っています。 ソールの接着方法も、伝統的な革靴と同じセメンテッド製法。 見た目はスニーカーですが、中身はほぼ「靴」なんです。
「靴修理職人として断言します。ニューバランスは、靴です。」
だから私たちのような靴修理の職人が手を入れることができますし、 きちんと直せば長く、気持ちよく履き続けられるんです。 それに価格帯を見ても、海外製や日本製のプレミアムモデルは3万円前後するものが多い。 高価なものだからこそ、直して長く愛用したい——そう思うのは自然なことですよね。
よくあるニューバランスの修理、5選かかと内側ライニングの張替え
一番ご依頼が多いのが、かかと内側のメッシュ生地の破れです。 歩くたびに擦れてしまうので、使っているうちにどうしても穴が開いてきます。 修理では、摩擦に強い本革に張り替えます。 革にすることで耐久性がグッと上がり、素足で履いたときの感触も良くなります。
ヒールロゴパーツの交換(リフレクターと呼んでいます)
かかと部分のロゴがついたパーツが、劣化してボロボロになってしまうケースも増えています。 合成素材が経年で崩れてしまうんですね。 こちらはグレーなどの本革で交換します。ロゴはなくなりますが、 むしろシンプルで高級感が出ると好評です。
ソールの加水分解修理
ニューバランスの修理といえば、これが一番有名かもしれません。 EVA素材のソールは、時間とともに加水分解してボロボロになってしまいます。 対処法は大きく2つ。VIBRAMソールに丸ごと交換する方法と、 スポンジでEVA部分を作り直してオリジナルのデザインに近づける方法です。 どちらの修理後も、加水分解は起きなくなります。
タン(舌革)の作り直し
ソールと同様、タン(甲部分の舌のようなパーツ)も加水分解でボロボロになります。 この場合はタンを本革で一から作り直します。 オリジナルに近い袋縫いタイプと、バインディング仕上げの2種類に対応。 もともとの織ネームも付け直すので、見た目の違和感はほとんどありません。 本革になって高級感が増すと、喜んでいただいています。
カウンター芯の交換
かかとの内側に入っている「カウンター芯」は、快適な歩行のために非常に重要なパーツです。 ニューバランスのカウンター芯はプラスチック製で、かかとを踏んだりすると割れたり変形することがあります。 シュー・オブ・ライフでは、高級紳士靴にも使われる革製のカウンター芯に交換。 変形しにくく長持ちします。
最近、修理と合わせてスニーカークリーニングのご依頼も増えています。 ハイグレードなニューバランスはアッパーに本革が使われているので、 革靴と同じ手法でケアができます。スムースレザーなら靴クリームで補色して艶出し、 スエードなら補色と保革でアッパーを蘇らせることが可能です。 これもまた「ニューバランスは靴である」証拠のひとつです。
「直せないスニーカー」が多い中で、ニューバランスはこれほど多彩な修理に対応できる、 とても稀なスニーカーです。長く愛用できることが、これだけ多くの人に愛される理由のひとつでもあると思います。
「ニューバランスは靴である」をモットーに、これからも一足でも多くのニューバランスを 修理して、生き返らせていきたいと思っています。 ソールが崩れてしまっていても、どうか諦めないでください——ぜひご相談ください。
シューオブライフは、popeyedでもご取材頂いています。ぜひこちらもご一読ください。 https://popeyemagazine.jp/post-164461/














