The Shoe of Life(シューオブライフ)です。いつもBlogをご覧いただきありがとうございます^^
本日は、ハイブランドスニーカーの中でもとくにご相談の多い**ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)**の修理事例をご紹介します。
今回お預かりしたのは、モノグラム柄のキャンバス地とスエードを組み合わせたローカットのスニーカー(★モデル名・ライン名をここに記入★)。ブラウンのトーンでまとめられた、ヴィトンらしい上品な一足です。
【写真】アフター:修理を終えた全体像(IMG_3845)
「もう10年以上履いてるんです」——そんなふうにお持ちいただく一足って、本当にいいんですよね。アッパー(甲の部分)にはしっかり時間の跡がついていて、でもそれが味になっている。こういう靴こそ、直して履き続けてほしいと思うんです。
ビフォー:これ、加水分解です
まずは、お預かりしたときの状態から。
サイドから見ると、ソールがぺたんと薄くなっているのがわかります。もともとフラットなデザインの一足なのですが、それにしても地面との間にクッションがほとんど残っていない状態です。
そして靴底を見てみると——
パターン(靴底の凹凸模様)がほぼ消えて、つるつるになっています。ここまで来ると、雨の日は本当に滑りやすくて危険です。そしてソールの縁(コバ)まわりを見ると、接着が浮いて口が開いてきているのもわかります。
これ、単なるすり減りではありません。**加水分解(かすいぶんかい)**です。
「加水分解」は、ハイブランドのスニーカーでも起こります
加水分解というと、ニューバランスの白いミッドソールがボロボロ崩れる——あのイメージをお持ちの方が多いと思います。でも実は、ソールにウレタン系の素材を使っているスニーカーであれば、ブランドを問わず起こる現象なんです。ルイ・ヴィトンも例外ではありません。
仕組みはシンプルで、ウレタン系の素材が空気中の水分と少しずつ反応して、年月とともに劣化していく。表面が粉っぽくなったり、崩れたり、接着が保てなくなって剥がれてきたりします。今回の一足も、ソールの弾力が失われて薄く潰れ、コバの接着が離れはじめていました。
ここで大事なポイントをひとつ。
加水分解は、履いていなくても進みます。
むしろ「大事にしまっておいた一足」ほど、箱の中の湿気でひっそり進行していることが多いんです。「ほとんど履いてないのに!」というお声、本当によくいただきます。泣
ニューバランスの加水分解について詳しく書いた記事もありますので、仕組みをもっと知りたい方はこちらもどうぞ。
▶ ニューバランスのソールがボロボロに!?加水分解は直せます|ソール交換・再生修理まとめ
そして——加水分解は直せます。 諦めないでください!
こうなると、部分的な補修(ハーフラバーやかかとの交換)では対応しきれません。オールソール交換——ソールを丸ごと作り直す修理の出番です。
なぜハイブランドのスニーカーは「直せない」と言われがちなのか
ルイ・ヴィトンに限らず、ハイブランドのスニーカーは修理店で断られることが少なくありません。理由はいくつかあります。
ひとつは、アッパーの素材がデリケートなこと。今回の一足も、モノグラムのキャンバス地とスエードのコンビネーションです。ソールを剥がす作業でアッパーを傷めてしまうリスクがあるため、扱いに慣れていないと手を出しづらい。
もうひとつは、純正と同じソールが手に入らないこと。メーカー専用のパーツですから、当然といえば当然です。だから「同じものには戻せません」となってしまう。
でも、視点を変えてみてください。同じものに戻すことだけが修理ではありません。
アッパーが元気なら、そこに新しいソールを組み直して、これから10年履ける一足にする。それも立派な修理です。当店ではそう考えています。
アフター:VIBRAM(ビブラム)ソールで組み直しました
今回はソールを全て取り外し、VIBRAM(ビブラム)のラグソール(凹凸の深い、グリップ重視の靴底)で組み直しました。
VIBRAMはイタリアの老舗ソールメーカーで、登山靴用ソールで世界的に知られています。純正のフラットなソールと比べて、グリップ力・耐久性が大きく向上するのはもちろん、加水分解に強いのが今回いちばんの狙いです。同じ理由でまた崩れてしまう心配が、ぐっと小さくなります。使用したのは
VIBRAM 1030 ソール 6mmです。
そして、今回の仕上がりでいちばん見ていただきたいのがサイドのシルエット。
ビフォー(と並べていただくと違いが一目瞭然だと思うのですが、アウトソールとアッパーの間にベージュのミッドソール(中間層)を積み上げています。
これは見た目のためだけではありません。ミッドソールを入れることで、
クッション性が戻る(ぺたんこの状態から解放されます)
アッパーへの負担が減る(衝撃をソール側で受け止められる)
次回もソールだけ交換できる(アッパーを何度も剥がさずに済む)
という実用的なメリットがあります。ブラウンのアッパーに対してベージュのミッドソール、ブラックのアウトソール——という配色も、もとの一足の雰囲気を壊さないように選んでいます。
さらに、つま先まわり。
スエードのつま先は、歩き方によってはいちばん先に削れてしまう場所です。ここにラバーを回して守る仕様にしました(★つま先ラバーの仕様をここに記入★)。マウンテンブーツのような無骨さが加わって、個人的にはこの表情、かなり好きです^^
「純正に戻す」より「これから長く履ける」を選ぶ
この修理をご案内するとき、いつもお客さまとお話しするのが「どこを大事にしますか?」ということです。
オリジナルの見た目を最優先にしたいなら、できるだけ純正に近い薄いソールを探して組む方向になります。ただし、そうすると耐久性は元の一足と同じ——つまり、また同じように減りますし、素材によっては加水分解も繰り返します。
これから履き続けることを最優先にするなら、今回のようにVIBRAM+ミッドソールで組み直す方向です。見た目は少し変わりますが、格段に丈夫になり、加水分解の心配も減って、次の修理もしやすくなります。
今回はお客さまと相談のうえ、後者を選びました。「靴箱で眠らせるより、履きたい」——そういう一足だったからです。
どちらが正解ということはありません。ただ、どちらを選ぶにしても「まだ直せる」ということは知っておいてほしいんです。
ソールを長持ちさせる、いちばん簡単なコツ
修理の話ばかりしてきましたが、いちばんいいのは「傷む前に整える」こと。
まず保管。加水分解は完全には防げませんが、進行を遅らせることはできます。ポイントは湿気を溜めないこと。箱に入れっぱなし・クローゼットの奥に置きっぱなしが一番進みやすいパターンです。ときどき風を通す、乾燥剤を入れる、そして何よりたまに履いてあげること。靴は履いてもらえるのが一番うれしいんです^^
すり減りに関して言えば、浅いうちにハーフラバー(前底に貼る薄いラバー)を貼るのが圧倒的にコスパがいいです。純正ソール自体が削れる前に、身代わりのラバーに削れてもらう——これだけで、オールソールが必要になるまでの時間が何年も延びます。
それから、スエードのつま先。ここは擦れると起毛が寝てしまうので、履いたあとにブラッシングして毛を起こしてあげるだけでも持ちが違います。
「まだ大丈夫かな?」と迷うくらいのタイミングで一度見せてください。浅い段階なら、選べる修理の幅がぐっと広がりますから^^
高い一足こそ、直して履く価値がある
ルイ・ヴィトンのスニーカーは、決して気軽な買い物ではありません。でも、だからこそ思うんです。高価な一足こそ、修理して長く履く価値があるって。
ソールが崩れたから捨ててしまえば、それはゴミになります。でもソールを組み直せば、また何年も一緒に歩ける相棒に戻る。お気に入りの一足を直して履き続けることが、地球環境への負荷低減にもつながっていますよ^^
私たちは「使い捨てのない社会を実現する」という理念を掲げていて、運営会社の株式会社エイチ・カツカワは、靴ブランド+修理店として国内で初めて国際認証B Corpを取得しました。累計6万足以上の修理実績は、そうやって一足ずつ向き合ってきた積み重ねです。
ルイ・ヴィトンの加水分解修理は、こちらでも別の事例をご紹介しています。
▶ ルイ・ヴィトンの加水分解、バレンシアガのソールの加水分解も諦めないで!ハイブランドスニーカー修理 第2弾
ハイブランドスニーカー全般の修理あるあるは、こちらにまとめています。
▶ ハイブランド(HIGH BRAND)スニーカーの修理あるある~ Chanel SaintLaurent Balenciaga MiuMiu
料金について
ハイブランドのスニーカーは、素材も構造も一足ごとに違います。ソールの状態、アッパーの傷み具合、どんな仕上がりを目指すかによって、修理内容が変わってきます。
そのため当店では、状態を拝見してからの個別お見積り(無料)でご案内しています。
LINEでお写真を送っていただければ、修理可否と概算をお答えしますので、お気軽にどうぞ^^
※修理内容の目安:★オールソール交換の現行価格12000円~・納期1か月~★
ルイ・ヴィトンのスニーカー修理は The Shoe of Life へ
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のスニーカーの加水分解・ソール交換・オールソールは、ハイブランドの修理経験が豊富な The Shoe of Life(シューオブライフ) にご相談ください。
The Shoe of Life (シューオブライフ) 所在地:東京都目黒区大橋2-22-4 増本ビル1F 営業時間 10:30〜19:30 (火曜日・水曜日定休)
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●電話(03-3467-8766)
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